オレオールの時計といわれて、ピンと来る人はどのくらいいるのだろうか。
時計好きな私でさえ知らないのだから、世間的な知名度はかなり低いだろう。
祖父の形見の時計は、オレオール製の手巻きの機械式時計だ。
オレオール社は1800年代後半にスイスで誕生した歴史のあるメーカーだったらしいが、倒産して日本の企業の一ブランドとして名を残すのみのようだ。
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そんな残念な状態ではあるものの、私はこの時計が結構気に入っている。
・18金の時計であること
成金っぽいイメージを持つ人も多いだろうが、この時計に関してはいやらしさがない。
華やかで上品な印象がある。40を過ぎて、金時計も一本は欲しいなあ、と思ってた矢先に労せずして手に入れられたので嬉しい。
・小ぶりなサイズ
ケースも34ミリ程度で現代の時計の標準サイズからは小さめだが、控えめでよろしい。
手首の細い私には、この時計はとてもしっくり来る。
・針が長いこと
3針とも長く、秒針のインデックスまできっちり届いている。寸足らずな針だと萎えるが、この時計の針は十分な長さがあり、見ていて気持ちがよい。
・文字盤の数字のデザイン
デザイン性の高い数字になっている。4の数字など好みが分かれそうな所だが、ポップな印象で自分は好きだ。
・状態がよいこと
1950~1960年代の時計だが、保存状態がとても良く、文字盤の焼けやシミがほとんどない。
金は柔らかいのでキズがつきやすいが、裏蓋にもほとんどキズがなかった。祖父はほとんど使っていなかったのではないかと思われる。
・精度がよいこと
一度もオーバーホールしていないらしいのに動くばかりか、精度がよい。1日経っても1分はずれていない。とはいえ、中の油は切れているからメンテナンスが必要だ。
・アンティーク時計
正真正銘のアンティーク時計が醸し出す雰囲気は素晴らしい。復刻版とはわけが違う。
でも、防水性などは低いので、使用に当たっては気を付けないといけないだろう。
その他、ドーム型の風防や針の曲がり具合など、良い所はたくさんあるけれど、 何と言っても、祖父の時計を直して使うというのは人生の重みを感じる。
これからも大事にしていきたい。