反転する機構
名前の由来
レベルソ(REVERSO)とはラテン語で「回転する」という意味で、時計の名前の由来になっている。
インドに駐在するイギリス人の将校が「ポロの激しい試合の際にも耐えうる時計を作ってほしい」というリクエストを出したことがきっかけで作られたものなので、出自はスポーツ時計だったのだが、今この時計を見てスポーツ時計を想起する人はまずいないだろう。
ケースバックには、自分のイニシャルをエングレービングしてパーソナライズすることも出来るし、裏がスケルトンのモデルでは美麗なムーブメントを眺めることも出来る。
反転の方法と意義
指を軽く添えて少し力を入れるとカチっと音がして、文字盤が右にスライドする。
背後のケースキャリアにはペルラージュ模様が施されている。
こういう普段は見えないところにも装飾があるところが嬉しい。なお、右端までスライドさせなくても時計を回転させることが出来るので使いやすい。
そんな反転機構だが、現在のケースはサファイヤクリスタルガラスを使用しているため傷がつきにくくなり、文字盤を保護する必要がなくなった。その結果、反転機構の実用性は薄れて象徴的な存在になっている。
しかし、レベルソ・デュオは、その象徴的な存在に実用性を呼び戻し、デザインとして昇華させているのである。
2つの文字盤
レベルソ・デュオの表面の文字盤は白を、裏面はチャコールグレーを基調としている。1つの機械で2つの時計を同時に動かしており、反転機構を最大限に活用している。
私はこの機構が気に入ったからこの時計を購入した。着る洋服や気分に合わせて文字盤を変えられるので、使っていて実に楽しい。
ケース右横のプッシュボタンを押すたびに1時間進ませることができ、表面とは違う時間を表示することも出来る(GMT機能)。
文字盤のデザインについては、次回に述べる。