時計を趣味にする人達の永遠のテーマである、アガリ時計について考えてみる。
パテックフィリップは誰もが認める最高級ブランドなので、アガリ時計として最も相応しいものの一つだろう。
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You never actually own a Patek Philippe.
You merely look after it for the next generation.
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素敵ですねぇ。このコピーと写真
腕時計が好きで、おまけに小さい男の子がいる身としては、パテックフィリップの広告はササります。私は仕事で日常的に英文を読み書きしてるので、なおさら気になります。
ということで、自分なりに解釈してみます。
まずは1文目ですが、ポイントはownという動詞でしょう。
同じ「持つ」という意味でも、haveではなくownとなると、よりかしこまった感じがしますね。何より、排他的に所有するニュアンスが強くなるので、「自分だけのもの」と訳するのが適しているように思います。
しかし、それをneverで打ち消しているので、決して~出来ないという意味になる。
自分で買ったのに、実際に自分のものにならないって、どういうこと?? となるわけです。
なので、1文目は謎掛けのような文章ですね。
次に2文目ですが、ここで謎が解き明かされることになる。
merelyというのは、~だけだ、という強調の意味で、1文目のneverを受けています。
また、動詞の選び方(look after)がいいですね。
対人間だと「世話をする」という訳が良く当てられますが、相手は時計なので適さない。
機械式時計は何かと手間がかかるものなので、世話するというのもあながちはずれてないかもしれないけど、ここは「大事に使う」とか「大切にする」という訳の方が妥当でしょう。
以上を踏まえて、日本語に訳してみます。
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あなたは、パテックフィリップを実際に自分だけのものにすることは出来ない。
(あなたが出来るのは)次の世代のためにその時計を大事に使うことだけである。
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といった感じですかね。
結局まとめると、「パテックフィリップは何世代にも渡って使う時計である」となりますが、これは下記を暗示しています。
・何世代にも渡って使える「価値のある優れた時計」
・何世代も安心して使える「永年修理対応の時計」
直接的に表現しないところに、上品さと知性、裡に秘めた自信、誇りを感じますね。
いやはやカッコいいですね。
こんなことを書いているうちに、だんだん欲しくなってきました。
欲望にはキリがありませんな。。。