語り得ぬものを語る

主に腕時計と鉄道について語るブログです。自分の所有する物や、商品レビューなども書きます。

成人の日(谷川俊太郎の詩)

せっかくの三連休なのに寒くて天気が良くないですね。今日は成人の日ですが、昨日成人式だったところも多いみたいです。

自分にとって成人の日といえば、いまだに1月15日というイメージが強いのですが、2000年からは1月の第2月曜日になったようです。

それと同時に、以前読んだ谷川俊太郎の詩を思い出しました。

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成人の日に  谷川俊太郎

 

 

人間とは常に 人間になりつつある存在だ

 

かつて教えられたその言葉が

 

しこりのように胸の奥に残っている

 

成人とは人に成ること もしそうなら

 

私たちはみな日々 成人の日を生きている

 

完全な人間はどこにもいない

 

人間とは何かを知りつくしている者もいない

 

だからみな問いかけるのだ

 

人間とはいったい何かを

 

そしてみな答えているのだ その問いに

 

毎日のささやかな行動で

 

人は人を傷つける 人は人を慰める

 

人は人を怖れ 人は人を求める

 

子どもとおとなの区別がどこにあるのか

 

子どもは生まれ出たそのときから小さなおとな

 

おとなは一生大きな子ども

 

どんな美しい記念の晴着も

 

どんな華やかなお祝いの花束も

 

それだけではきみをおとなにはしてくれない

 

他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ

 

自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ

 

でき上がったどんな権威にもしばられず

 

流れ動く多数の意見にまどわされず

 

とらわれぬ子どもの魂で

 

いまあるものを組み直しつくりかえる

 

それこそがおとなの始まり

 

永遠に終わらないおとなへの出発点

 

人間が人間になりつづけるための

 

苦しみと喜びの方法論だ

 

 

 

谷川俊太郎詩集「魂のいちばんおいしいところ」より引用

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自分なりの「ものさし」を持たないと美醜を判断出来ないし、他人の意見に付和雷同するだけになってしまう。難しい課題ですが、苦しみの中でも日々の成長により喜びを感じられる瞬間がある。こういった前向きな人生観は、自分を前進させてくれる気がするので私は好きですね。