語り得ぬものを語る

主に腕時計と鉄道について語るブログです。自分の所有する物や、商品レビューなども書きます。

アガリ時計雑感

時計好きの中で、「アガリ時計」と呼ばれる言葉がある。これは、この時計を手に入れたら他の時計は欲しくならない、つまり時計収集のループからアガル(脱出する)という意味だ。
それこそ雲上時計と呼ばれるようなものを手にしたら、それ以上の品質で普通に購入できるものは見つけにくいから、上がれる可能性は高いわけだが、時計に限らず物の収集というのはそんなに簡単ではない。どんなに良いもの、高いものを手に入れても、また別の何かを欲しくなるものだ。だから、自分はアガリ時計なるものは概念的なもので、存在しないと考えている。

ところで、ここ数年の時計の値上がりは凄まじいものがある。技術革新による値上げというのは理解できるが、自分から見ると価格に不相応な値上げというのも見受けられる。正直その金額を払うくらいなら、別のことがどれだけ出来るだろうと考えると、その時計にそれだけの価値があるのだろうかと考えてしまう。

特に複数本所有しているとメンテナンス費用が嵩むし、使用に伴う小傷が増えたりすると、高価な商品はデリケートなだけに神経質になる。だから、たくさん持っているのは本当に意味がなく、自分の気に入った時計が2〜3本あれば普通の人には十分と考える。

自分の場合は、いずれムーブメントの美しい2針の金時計をなどと考えていたが、最近はそういうイメージがだんだん湧かなくなってきた。定年で仕事を辞めたら、時計をしなくなりそうだ。老化したら筋肉が落ちて時計をするのが億劫になるだろうし、時間にあくせくすることも少なくなるだろう。

あんまり夢がなく身も蓋もない話だが、今ある時計を愛でていくのが一番良いと感じる。

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