語り得ぬものを語る

日々思ったこと感じたことについて書きます。読んでいただいた方に少しでも共感できる部分がありましたら嬉しいです。

プレザージュ 漆モデルについて

某量販店でセイコーのプレザージュの漆モデルを見た。限定品だけど、まだ残ってたんですね。


パッと見、若干大きい気がしたが、腕にのせたところ違和感はなかった。約40ミリの径は現代的な標準サイズというところだろうか。針の多いクロノグラフなので、大きくても間の抜けた印象はない。 


店員さんによると、琺瑯の方がずっと人気があったらしく、これが残り一本ということだった。漆黒の文字盤はまさに「和の黒」という印象。デザインについては文句の付けようがなかったのだが、気になったのは時計の厚み。 

堅牢さを重視するセイコーの機械式時計は厚みがあるけれど、クロノグラフだとさらにそれが増す。レックスやジャガールクルトの時計に慣れた私はそこが気になる。そういった意味ではスイスの時計は厚みを押さえているので、装身具として洗練されているように思う。 

ただ、これは時計に対する設計思想の違いによるのだろうから、優劣をつけるものでもない。 

素材を考えればバーゲンプライスなんだろうけど、去年レベルソを買ってしまったこともあり、是が非でもと購入意欲をそそられるところまではいかなかった。限定モデルなので、今がチャンスなのだけどね。

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腕時計彷徨

そういえば、今年は一本も腕時計を買いませんでした。 
2008年に腕時計の趣味にハマって以来、毎年のように買っていたので、初めてのことです。レベルソを買って一区切りということでしょうか。 

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買わなかった理由は金銭的な問題もありますが、腕時計に対する目が肥えて安い時計に目が行かなくなったというのが大きいです。よい物を持つと安い物の粗が見えてしまい、どうも使う気にならなくなる。そうやって、ほったらかしになった時計を見るのは悲しいものがあります。それに40過ぎの大人になれば、年相応によい物を永く使いたいという気持ちも強くなります。 

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あと、たくさんの物を買うと、気持ちに負担が出てくるのも大きいです。買った以上はちゃんとメンテナンスして使いたいですから。 

今年は初めてロレックスを正規代理店にオーバーホールに出しました。あと、グランドコンプリケーションの革ベルトを新調しました。今持っているものを大事に使う、という方向にシフトした気がします。

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ロレックス EX1のオーバーホール記

レックスの代理店から「EX1のオーバーホールが完了した」との連絡を受けたので、先日伊勢丹に引き取りに行って来た。
通常のオーバーホールに加え、リューズとチューブ、バネ棒の交換で57,000円。

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使用感のあった小キズもなくなり、新品同様になって返って来たよ。

1ヶ月ぶりに腕に巻いた感触は懐かしいような嬉しいような気分で、他の時計とはやはり違う独特の安心感・安定感があった。 

精度はクロノメーターの水準を遥かに超えて抜群で、デザイン的にもどんな服装にも合いやすい。また、腕にしなやかに巻き付き装着感に優れ、類いまれなる記号性をもったブランド力をもっている。おまけにオーバーホールの体制も万全とすべてが一流で、欠点らしい所はほとんどない。 

女性でいえば、美人でスタイルもよく、おしゃれ。おまけに勉強もそこそこ出来て性格もよい人。そんな人が実際にいるのか分からないが、世の男達から人気が出るのは当然だ。 

人気のポイントは「突出したところがないこと」なんだと思う。「美人すぎないし、勉強出来すぎないし~」で、それがゆえに高嶺の花にならず、ちょっと頑張ればおつきあいできそうかな、と思える感じなわけだ。 

ということで、私の中でも独特のポジションをキープしているEX1だけど、初めて買った機械式時計ということもあって深い愛着を持っている。今後も時計界におけるベンチマーク的な存在としての地位を保っていくだろう。

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カミーユ・フォルネ交換記

先日仕事で築地に行ったのだが、その合間を抜け出して銀座の天賞堂へ向かい、修理に出していたグランドコンプリケーションを引き取りに行った。 

検査の結果は単なる電池切れで、機械は故障していないとのこと。 安く済んで気を良くした私は、革ベルトを新調しようと思って天賞堂の純正革ベルトを見たが、今ひとつピンとこない。 

そこで、高級時計の革ベルトで有名なジャン・ルソーに行った。 
店の入り口には色鮮やかなベルトが掛けられており、思わず胸が高鳴った。 お店の人に要望を伝え、手持ちの時計に早速当ててみると、時計の印象がガラリと変わった。 

 

ただし、既製品は35000円からというので予算オーバー。時計のベルトってワニ皮のほんの一部なのに、いくら希少部位とはいえ何でこんなに高いのかという気がする。 

しかも、私は裏地にラバーを付けて夏でもガンガン使いたいと思ったので、その旨を伝えるとカスタムオーダーするしかなく、1ヶ月以上の納期と50000円以上の値段と分かり、失望して店を出た。 
今思えば、ボルドー(ワインレッド)の革ベルトはなかなかよいと思ったが、年の割には粋がり過ぎかなという気もする。 

そのあとは和光に寄ったが気に入ったものはなかったので、銀座三越カミーユ・フォルネに行ってみた。
自分が欲しい条件を伝えると、裏がラバーで加工してあるベルトが数本出て来た。ジャン・ルソーの革ベルトの方が発色がよかったが、カミーユも老舗だけあって落ち着いた高級感が漂っていた。革製品の場合、価格とクオリティが明らかに比例する。 

いくつか試したところ、鉄板の組み合わせともいうべき、黒革にすることにした。ピンクゴールドに黒革というのはセクシーではないか。

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早速付けてみたところ、おフランスの高貴な雰囲気が漂い、時計の値段が一桁上がってしまうくらい印象が変わった。ぱっと見、パテックではないか?? と見紛う雰囲気でノックアウトされ、普段衝動買いなどしない私が瞬殺されてしまった。 

うちに帰って、酒を飲みながらしげしげと眺めてご満悦。 SBGT027と並べてみても全く引けを取らない。 
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それにしても、私は一体時計にいくら金をつぎ込むのだろう。 誰か私によい薬をください。

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グランドセイコーの真実 その2

前回に続き、グランドセイコーについて語る。

 昨日、某量販店で見かけたのがSBGW049という下記のモデル。

 

www.seiko-watch.co.jp

 

天海祐希さんが選んだストラップ付き、ということでレディースモデルのようだ。なるほど、女性をターゲットにしているだけあって、文字盤のGSロゴがピンクだったり、ストラップの裏地がパールピンクだったり、女性が好みそうな色を選んでいる。

ダイアルには放射状の装飾が施されるなど、地味でおじさん臭いデザインのGSにはない華やかさが加わっている。

私はSBGW031という手巻き時計のファンなのだが、このモデルがベースになっているようだ。しかし、いくつかの点が気になった。

 

女性が手巻き時計を使うのか

手巻き時計というのは、かなり面倒くさい。放っておくとすぐに止まってしまう。自動巻のように使っていても、手で巻き上げない限り止まってしまうので、時計に余程愛着がある人や好きな人でもない限り、使いこなせないのが実情だと思う。男性ですら手巻き時計を使わないのに、女性で手巻き時計を使う人などどのくらいいるのだろうか?というのが一つ目の疑問だ。

 

37ミリという大きさは女性に適正サイズなのか

腕時計の大型化が進んで久しいが、37ミリ径というのは手首が細い女性にとっては持て余すサイズなのではないだろうか。GSの時計は一級品だが、腕元を上品に演出する、という装身具の観点ではまだまだスイス勢には及ばないと感じる。

 

爪の長い女性が手巻き時計を使いこなせるのか

一番気になったのはここ。リューズを巻き上げる作業はそれほど力を要しないが、爪がリューズのギザギザに引っ掛かって欠けてしまうのではないかと思う。爪が長い人にとっては巻き上げるのは苦行に近いし、そもそも購入対象から外れてしまうだろう。

 

ということで、セイコーにとっては余計なお世話かもしれないが、上記の点が気になった。限定200本という少ない数字をみても、一部の時計愛好家しか相手にしていないのかもしれない。私は手首が細いので37ミリ径でも全然OKなのだが、レディースモデルとして作られた時計が欲しいか、と言われると首をひねってしまう。

この時計が市場でどういう評価を受けていくのか注目していこうと思う。

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グランドセイコーの真実

グランドセイコーといえば日本を代表する高級時計だが、私もSBGT027というモデルを持っている。これは9Fクォーツ15周年記念の300本限定品で、私の大事なコレクションの一本だ。かつてSBGT015という9Fクォーツを代表するモデルがあったが、その特別仕様版である。以下に特長を述べる。

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年差±5秒というスペック

載せているキャリバーは9F83で通常モデルと一緒だが、半分の誤差まで精度を追い込んでいる。実際の精度は年差±1秒程度なのだが、セイコーはクレーム対策を考えているのか、余裕を持たせた数値を謳っている。 

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個体差はあるが、実際の精度も年差±5秒の特別仕様の方が若干良いようだ。そういう特別感が所有欲を満たしてくれる。

 

以下はセイコーのホームページ

www.seiko-watch.co.jp

 

和紙のような文字盤

SBGT027の特長の一つは純白の文字盤だ。9Fクォーツ15周年記念モデルということで、文字盤には15本のストライプが施されている。15周年=15本というのはいささか安直な発想にも感じられるが、和紙のようなきめ細やかな文字盤にうっすらと上品に線が引かれていて美しい。SBGA011の雪山を模した文字盤に通じるものがある。

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五芒星

年差±5秒を象徴する星のマークは、特別な時計であることをアピールしている。オメガのコンステレーションにも星のマークはあるが、あちらよりもだいぶ小さいし、そもそも数字の5に引っ掛けているので意味合いが違う。GSの時計は概して地味だと思うので、星のデザインを加えることで華やかで若々しい印象になっている。

 

ブルースチールの秒針

今でこそ珍しくはないが、2008年当時でGSクォーツにブルースチールを使用しているものはなかった。その意味で画期的なモデルといえる。白い文字盤の上を青い秒針が力強く回転していく様は、見ていて気持ちがよい。

 

その他

裏蓋にはゴールドのメダリオンや、記念モデルの刻印がされていて、特別仕様の名に恥じぬモデルとなっている。

 

 

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