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語り得ぬものを語る

主に腕時計と鉄道について語るブログです。自分の所有する物や、商品レビューなども書きます。

キハ52の思い出

キハ52の国鉄色

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私は自分が乗ったことのある車両の模型しか買わない主義で、この車両には飯山線大糸線岩泉線で乗った。なかでも印象深いのは岩泉線である。 

2002年の冬、当時の私はJR全線完乗を試みて全国の鉄道を乗り回していた。東北は未乗線区が多かったのだが、なかでも1日3本しか走らない岩泉線は旅程を組むのが難しく、乗り潰し泣かせの路線だった。 

宮古を観光して岩泉線に勇躍乗り込もうとしたとき、ホームに停まっていたのがこの車両だった。車体は煙で煤けていて古色蒼然としていたが郷愁漂う印象で、2両編成のうち私は迷わずこの車両を選んだ。 

分岐点の茂市を過ぎると徐々に山間部に入る。東北の冬の夕暮れは早く、あっという間に夜の闇に包まれた。降りる人も乗る人もいない駅を過ぎるたびに、一体自分はどこに連れて行かれるのだろうか、という不安な気持ちになったのを思い出す。 

上り坂に差し掛かると、車内には軽油の臭いが立ちこめる。苦しそうに小さな車体を振るわせ深山幽谷を駆ける姿には、どこか応援してあげたくなるようなところがあった。 

今は岩泉線は廃止されたが、この車両とともに、自分の思い出に深く刻まれている。