語り得ぬものを語る

主に腕時計と鉄道について語るブログです。自分の所有する物や、商品レビューなども書きます。

機械式時計を組み立てる @下諏訪 儀象堂

久しぶりのブログ更新。

昨日機械式時計の組み立てに参加した。 場所は長野県の下諏訪にある儀象堂という時計工房。

参加したのは25歳の男性と私の二人。その方は鹿児島県の屋久島からの参加ということで驚いたが、並々ならぬ意気込みを感じた。担当技師はセイコーエプソンOBの平林さんという超ベテランの講師だ。

白衣を着て、講師の説明を聞く。初めにオリエンテーションがあって、全体の組み立て工程の話があり、作業を開始する。 地板にきち車、二番車、巻真を取り付けたあたりまでは割とスムーズに進んだ。


ひょっとしたら楽勝?と思いきや、ここからが大変だった。。

次は、かんぬきや香箱車など、動力伝達機構の部品を組み立てる段階。この辺りになると、老眼の進んだ私には、ごく小さな穴に部品を通すのが結構難しくなり、ハズキルーペのようなものを使用してチャレンジし、なんとかクリアする。

さらに脱進機や調速機構の取り付けに移る。アンクルの取り付けに苦戦した後、時計の心臓部とも言えるテンプの取り付けをする。
これがまた繊細な部品で、ピンセットで裏返しながら機械にそっと差し込むと、付いた途端にテンプが動き始め、感動を覚えた。


午前中に機械部分の取り付けはほぼ終わり、午後は外装に取り掛かる。
中でも自分が一番苦労したのは、筒車を取り付けた後の針の取り付け(特に秒針)。
私が作っているのは限定品の時計なので、文字盤に傷がつくと交換できないから絶対に傷をつけないようにしてくれ、と言われて緊張する。
そう言われても、普段ピンセットを使って細かい作業をすることなどないし、力の加減が難しく何度も手をプルプルさせて、針をポロリと落としてしまい悪戦苦闘。 私にとってはここが一番大変だった。

それでも講師の方に助けてもらいながら、なんとか取り付けることが出来た。
ひっくり返して回転錐をつけてケースに嵌め込む。
途中で精度のチェックなども行いながら、5時間近くでようやく完成した。

時計を腕にはめて8時の小窓から見えるテンプの動きを眺めていると、愛着とやり遂げたささやかな自信が湧いてきた。
また、機械式時計の仕組みについても、今まで以上に興味が湧いてきた。本で読んである程度構造は知っていたものの、実際に組み立てるとなると話は別だ。これは経験しないと絶対にわからない。

そういう意味で貴重な経験が出来たなと思う。
場所が遠いし車がないと前泊が必要なので、お金もそれなりにかかるけれど。時計の好きな方には楽しめる作業と思うので、もしご興味のある方は参加されると良いと思う。

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